2011年 06月 04日
超短編小説:4 |
『秘密のタレ』
だめだ、味付けが決まらない。
俺は調理台に思い切りもたれかかり、大きく伸びをした。ついでに欠伸も出た。
大口を開けた間抜けな姿勢の俺は、見上げた先の異様なものに、ぎょっとして凍りついた。
天井に顔がある。俺の真上に虚ろな表情の女の顔だけが、ぼうっと浮き出ている。
その口が薄く開き、唾液らしきものが滴となって溜まっている。茶色がかった薄気味悪い液体。
それが、あっと思うまもなく俺の口の中に落ちてきた。刹那、全身を戦慄が駆け抜ける。
うわあぁぁぁ!
うっ・・・!
ウマイ!?。
俺は、この衝撃の味を再現し、牛丼を作った。
これが評判を呼び、やがて業界一位のチェーン店を築き上げた。
もちろん、この話は、企業秘密である。
だめだ、味付けが決まらない。
俺は調理台に思い切りもたれかかり、大きく伸びをした。ついでに欠伸も出た。
大口を開けた間抜けな姿勢の俺は、見上げた先の異様なものに、ぎょっとして凍りついた。
天井に顔がある。俺の真上に虚ろな表情の女の顔だけが、ぼうっと浮き出ている。
その口が薄く開き、唾液らしきものが滴となって溜まっている。茶色がかった薄気味悪い液体。
それが、あっと思うまもなく俺の口の中に落ちてきた。刹那、全身を戦慄が駆け抜ける。
うわあぁぁぁ!
うっ・・・!
ウマイ!?。
俺は、この衝撃の味を再現し、牛丼を作った。
これが評判を呼び、やがて業界一位のチェーン店を築き上げた。
もちろん、この話は、企業秘密である。
by kumoganagareteiku
| 2011-06-04 19:00
| 超短編小説